【東京・六本木】国立新美術館 第121回太平洋展|100年以上続く歴史ある美術団体の公募展

第121回太平洋展 美術館

東京・六本木にある 国立新美術館 で開催されている「第121回太平洋展」を訪れてきました。

会場には、絵画・版画・彫刻・染織など幅広いジャンルの作品が展示されており、学生から大人まで多くの来場者で賑わっていました。

100年以上の歴史を持つ美術団体による公募展ということもあり、多彩な作品を楽しめる展示となっていました。

展示の感想や館内の様子などを紹介します。

国立新美術館への行き方

今回訪れたのは、六本木にある 国立新美術館 です。
アクセスは、千代田線「乃木坂駅」、都営大江戸線・日比谷線「六本木駅」などから利用できます。

今回は日比谷線六本木駅から向かいました。
地下道を利用すると、美術館近くまで徒歩約3分ほどで行くことができ、案内表示もあるため初めてでも迷いにくい印象でした。

地下道を出て美術館へ向かう道沿いには、一人用の小さなベンチもあり、街歩きの途中で少し休憩したくなるような雰囲気です。

館内の雰囲気と建築デザイン

国立新美術館は「森の中の美術館」をコンセプトに設計された建物で、波のようにうねるガラスカーテンウォールが特徴です。

実際に近くで見ると、ガラスの曲線がとても美しく、建物自体が巨大なアート作品のようでした。
外のベンチでは建物を眺めながら休憩している人も多く、館内の椅子からは緑の景色をゆっくり楽しめます。

地下にはレストランやミュージアムショップなどもあり、展示を見る前後に立ち寄れるのも魅力でした。

太平洋展について

「太平洋展」は、100年以上の歴史を持つ「太平洋美術会」による公募展です。

その始まりは、明治時代に誕生した日本最初の洋画団体「明治美術会」にさかのぼります。
明治初期、日本では西洋画教育が始まり、工部美術学校ではフォンタネージらによる本格的な指導が行われました。

一方で、フェノロサや 岡倉覚三(岡倉天心) らによる日本画復興運動も広がり、洋画家たちは厳しい立場に置かれていきます。
そうした中、浅井忠、小山正太郎、松岡寿らが中心となり、1889年に「明治美術会」を結成しました。
その後、1901年に「太平洋画会」へ改称。「洋々たること太平洋の如し」という願いが込められた名前だと言われています。

現在の「太平洋展」は、その流れを受け継ぐ歴史ある公募展として続いています。

展示の感想

版画

宙の鯨|西山彰|版画

宙の鯨|西山彰|版画

正面入口から右側の展示室へ進むと、太平洋展の会場がありました。

先月、 横浜市民ギャラリー を訪れた際、木板を彫ってクジラを制作している方を見かけました。
クジラの写真だけでなく、生態についてのメモも添えられており、餌の取り方や体の特徴などを調べながら制作されている点がとても印象に残っていました。

その作品が太平洋展で展示されると聞き、完成した姿を見たくて今回訪れました。
完成した作品は版画として展示されており、左右反転によって制作途中とはまた違った雰囲気になっていました。さらに、アクリル板に周囲の作品が反射して映り込み、まるでクジラ自身が展示を見に来ているようにも感じられ、引き込まれるような魅力がありました。

絵画

出発のkingdom|生野英子|絵画
パワー スポット/スピリチュアル スポット|桜井英子|絵画

会場内では、絵画作品の中にもクジラを見つけました。
さまざまな動物が描かれる中でクジラが選ばれている理由に興味が湧き、また機会があれば作者の方に聞いてみたいと思いました。

僕らの遊び場Ⅰ/僕らの遊び場Ⅱ|西尾真紀子|絵画
楽園|伊藤真帆|絵画

猫を描いた作品も多く、猫好きとして楽しく鑑賞できました。

メモリーⅠ/メモリーⅡ|梅津貴|絵画

メモリーⅠ/メモリーⅡ|梅津貴|絵画

特に印象に残ったのは、おじさん座りをしている猫の作品です。どっしりと座っている姿がどこか可愛らしく、視線の先に何があるのかも気になりました。

猫|蜂須賀マヤ|絵画

猫|蜂須賀マヤ|絵画

また、大きなお尻が印象的な猫の後ろ姿の作品には多くの人が集まっていて、題名を見ながら「ねこだ」と楽しそうに話す声が聞こえてきました。

仲良し①愛知牧場にて/仲良し②愛知牧場にて|今枝さゆり|絵画
森・海そして小鳥歌|茅浜|絵画

仲良し①愛知牧場にて/仲良し②愛知牧場にて|今枝さゆり|絵画
森・海そして小鳥歌|茅浜|絵画

そのほかにも、羊の毛並みが本当に柔らかそうに見える作品や、動物たちが演奏会をしているような、穏やかなメロディが聞こえてきそうな作品があり、見ていて和みました。

重ねし刻ー愛宕念仏寺ー|安達孝雄|絵画
ブダペスト国会議事堂|鶴東光二|絵画

こちらの2作品は、実際に見ても素敵な場所なのだろうと思いました。
遠くの方からでもお地蔵さんが光に照らされて笑っているのが見え、会場の一番奥の展示を見ながら気になっていました。

また、ブダペスト国会議事堂の作品は、こんなにも美しく輝く議事堂があるのかと驚きました。

彫刻

とろける|小早川麗弥|彫刻

彫刻作品も個性的で面白く、「とろける」という題名の作品は、チーズやオムレツのように柔らかく見え、思わず「本当にとろけている」と感じました。

MAIMAI DO Ⅰ/MAIMAI DO Ⅱ|わだゆりこ|彫刻

ヤドカリの殻と人間が融合したような作品もあり、「なんとなくこういう気分のときある」と思ってしまうような面白さがありました。

染織

振り返る人|谷口茂春|染織

展示では「デジタルプリント」や「ミクストメディア」と書かれた作品もあり、これまでに見たことのない版画や染織の表現も多く、驚きのある作品が多く見られました。いろいろな技法が使われていることを知り、美術表現の幅広さを実感しました。

館内の様子・所要時間

展示はかなり作品数が多く、約2時間ほどかけて鑑賞しました。

来場者は学生から大人の方まで幅広く、作品の前では人が集まる場面もありました。
ただ、会場自体が広いため、一度全体を見てから空いているタイミングでもう一度戻って見るのもおすすめです。

国立新美術館は国内最大級の展示スペースを持つ美術館ということもあり、ゆったり鑑賞しやすい空間でした。

基本情報

第121回太平洋展
【会場】国立新美術館
【会期】2026年5月13日(水)~5月25日(月)
【時間】10:00~18:00(最終日:10:00~15:00)
※入場締切:閉会30分前まで
【入場料】
一般・大学生 1000円(開催中有料公募展の半券持参で500円)
高校生以下 無料
【巡回開催】福岡・大阪・名古屋

まとめ

第121回太平洋展では、絵画・版画・彫刻・染織など幅広いジャンルの作品を見ることができました。
歴史ある団体展ですが、動物や山下公園など横浜の風景を描いた親しみやすい作品も多く、気軽に楽しめる展示でした。

また、国立新美術館 の建築そのものも魅力的で、展示とあわせて空間全体を楽しめるのも大きな特徴でした。

無料で鑑賞できる展示も開催されており、閉館1時間前でも多くの人が訪れている印象でした。今回は見られなかった2階以上の展示も、次回はゆっくり見てみたいと思います。

アート鑑賞を気軽に楽しみたい方におすすめの展示です。


関連記事
東京国立近代美術館
郷さくら美術館
横浜市民ギャラリー

タイトルとURLをコピーしました