【横浜・みなとみらい】横浜ユーラシア文化館|「韓国 手仕事の美事 ―刺繍、ポジャギ、メドゥプ・・・」で見る韓国の伝統工芸

韓国 手仕事の美事―刺繍、ポジャギ、メドゥプ 美術館

韓国の伝統工芸である「ポジャギ」や「メドゥプ」を中心に紹介する企画展「韓国 手仕事の美事―刺繍、ポジャギ、メドゥプ・・・」が、横浜ユーラシア文化館で開催されています。

韓国ドラマで見かけるノリゲや、美しい刺繍の小物、色鮮やかなポジャギなど、普段なかなか見る機会のない韓国の手工芸作品を間近で鑑賞できる展示です。今回は、企画展とあわせて2階の常設展も見学してきました。

展示内容や実際に見学した感想、横浜ユーラシア文化館の見どころを紹介します。

「韓国 手仕事の美事 ―刺繍、ポジャギ、メドゥプ・・・」について

横浜市と釜山広域市のパートナー都市提携20周年を記念して開催された企画展です。

朝鮮王朝時代、中・上流階級の女性たちは、屋敷内の女性の生活空間「アンバン」で、ポジャギ(包み布)やチュモニ(袋物)などの手芸品を制作していました。作品には、家族の幸福や家門の繁栄を願う吉祥文様や様々な意匠が施され、暮らしの中の美意識や工夫が表現されています。

近代になると女性教育の普及とともに手仕事の技法が一般にも広まり、朝鮮戦争後には家計を支える技術としても発展しました。1960年代以降は韓国の伝統文化として再評価され、現在では作家による芸術作品としても制作されています。

本展では、韓国の手芸品や木工品の魅力に惹かれ、20世紀初頭から現代までの作品を収集してきた鈴木光男・千香枝夫妻のコレクションが展示されています。

展示構成

  • 第1部 色と形の不思議
  • 第2部 針箱の世界
  • 第3部 結びの世界
  • 第4部 色とりどりのポジャギ

また、「中七友争論記」の世界、婚礼の品々、男性の持ちものなどのトピック展示も行われています。
※会期中に一部展示替えをおこないます。

ポジャギとメドゥプを簡単に紹介

ポジャギ(보자기)

ポジャギは、韓国の伝統的な包み布です。

もともとは物を包んだり運んだりする日用品として使われていましたが、現在ではインテリアや芸術作品としても親しまれています。小さな布をつなぎ合わせたパッチワークのようなデザインも特徴的です。

メドゥプ(매듭)

メドゥプは、韓国の伝統的な組み紐・結びの工芸です。

一本の紐を結び、美しい模様や装飾を作り出します。韓服の装飾品であるノリゲなどにも使われており、それぞれの結びには縁起の良い意味が込められています。

企画展示を見た感想

訪れた日は台風後の雨でしたが、みなとみらい線の駅から3番出口を利用すると、濡れずに横浜ユーラシア文化館へ行くことができました。

1階では、横浜市と釜山広域市のパートナー都市提携20周年を記念して、釜山の写真が展示され、海雲台や甘川文化村などの観光スポットが紹介されていました。

3階の企画展示室では、ポジャギやメドゥプ、刺繍作品、裁縫道具など、韓国の工芸品を数多く鑑賞することができました。

特にかわいらしかったのは、刺繍が施された指ぬきです。一つひとつでも美しいのですが、複数並ぶことで、まるで小さな作品群のようでした。

また、カラムシ、クチナシ、蓮で染められたポジャギは、自然染色ならではの柔らかな色合いがとても美しく、目を引きました。

残念ながら、コレクション所有者の意向により展示室内はすべて写真撮影禁止でした。しかし、その分、一つひとつの作品をじっくり鑑賞できたように思います。

婚礼や祝い事で使用されたポジャギも展示されていました。贈り物を包んだポジャギは、受け取った人が再利用する文化があることも知りました。

韓国時代劇でよく見かけるノリゲも多数展示されていました。大きさやデザインがさまざまで、房(술)の先端が丸く仕上げられていて、どのように作られているのか気になりました。

展示を見ていると、ポジャギ、メドゥプ、刺繍、木工品など、多くの作品に動物や植物、吉祥文様が使われていることがわかります。韓国の伝統工芸が、暮らしの中の願いや祈りと深く結びついていることを感じられる展示でした。

体験コーナーでは、実際にポジャギに触れることができました。裏側を見ることで、パッチワークのようなデザインがどのように縫い合わされているのかを知ることができ、とても興味深かったです。

7月4日に開催される展示解説を聞きながら鑑賞すると、さらに理解が深まりそうだと感じました。

2階常設展

横浜ユーラシア文化館とは

ユーラシアとは、ヨーロッパとアジアを合わせた広大な地域を指す言葉です。
横浜ユーラシア文化館では、ユーラシア地域の考古学、歴史、美術、民族資料などを展示しています。

常設展は時代順ではなく、

  • 砂漠と草原
  • 色と形
  • 装う
  • 伝える

という5つのテーマで構成されており、ユーラシア各地の文化交流の歴史を紹介しています。

常設展を見た感想

당의

常設展に入る前から、入口には韓国の伝統衣装「タンウィ(당의)」姿のアルコールスプレーが置かれており、これから始まる展示への期待がふくらみました。

展示室には馬具、彩文土器、陶器など様々な展示があります。

特に面白かったのがシュメール文明の展示です。

粘土板に文字を記録する方法が詳しく紹介されていました。
湿った粘土に葦の先端を削った筆を押し当てて文字を書き、一行書くごとに罫線を引いて進めていきます。書き終えると乾燥させて保存し、間違えた場合は粘土の表面を削って書き直すことができたそうです。

紙ではなく粘土に情報を記録していたことや、実際に展示されていた文書が家畜について記録したものであることを知り、どのように記録が作られていたのかを知ることができて面白かったです。

常設展の展示品の一部には鏡が設置されており、作品の裏側まで観察できるのも面白いポイントです。

常設展でも韓国の展示を楽しむことができ、企画展のトピック展示の一部も常設展で見ることができました。

企画展で見られたような華やかな作品は多くありませんでしたが、「男性の持ちもの」とポジャギが展示されていました。木工品の水を飲む道具や、「パッタウィチョイゲ」という不思議な荷造り道具も見られました。

こちらも写真撮影はできませんが、企画展の一部展示を常設展でも見ることができるのはうれしいところです。

奥には、ライブラリーがあります。

ここでは、企画展示内で紹介されていた絵本『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』を読むことができました。

針仕事が得意なおくさんの部屋にある7つの道具たちが、自分が一番役に立っていると主張し合います。しかし最後には、仲間同士が協力することの大切さを伝えてくれる物語でした。

展示を見た後に読むことで、展示内容を振り返りながら楽しめる一冊でした。

周辺スポット(みなとみらい線の駅アート)

行きは、馬車道駅の改札口上部が見たくて、馬車道駅を利用しました。

改札口へ向かう途中にはアート作品が展示されています。特に存在感があったのは、横浜市在住の浜野四郎氏による、イスタンブールのモスクと神奈川県立歴史博物館を描いた作品が印象的でした。モスクと歴史博物館が自然に溶け込んで描かれており、思わず見入ってしまいました。

また、日本大通り駅では、横浜港や横浜三塔、トリスおじさんなどを描いた壁画を見ることができます。駅構内のアーチ状の空間とも調和しており、駅自体が一つの展示空間のようでした。

基本情報

項目内容
展覧会名韓国 手仕事の美事 ―刺繍、ポジャギ、メドゥプ・・・
会期2026年4月25日(土)~7月5日(日)
開館時間9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日月曜日
会場横浜ユーラシア文化館
3階企画展示室・2階常設展示室
企画展観覧料一般800円、小・中学生・横浜市内在住65歳以上400円
(常設展含む)
写真撮影企画展:不可 / 常設展:可(一部除く)
所要時間(目安)企画展+常設展で約1時間
混雑状況(訪問時)企画展はコンパクトな展示空間で、来館者は20人前後でした。

展示解説

  • 日時:7月4日(土)14:00~
  • 講師:鈴木千香枝氏(メーファ韓国閨房工芸研究会主宰、十長生理事)
  • 所要時間:約40分
  • 参加費:無料(企画展観覧券が必要)

まとめ

「韓国 手仕事の美事―刺繍、ポジャギ、メドゥプ・・・」は、美しい韓国の伝統工芸品を鑑賞できるだけでなく、その背景にある人々の暮らしや価値観にも触れられる企画展でした。

作品に込められた願いや意味を知ることで、韓国の手仕事の奥深さを感じることができました。

また、横浜ユーラシア文化館の常設展も見応えがあり、一度の来館で様々な地域の文化に触れられるのも魅力です。

韓国の伝統工芸に興味がある方はもちろん、韓国ドラマや歴史文化が好きな方にもおすすめの展示でした。


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